肉の旨みがぐぐっと沁み込むキルギスの『ベシュバルマク』|となりの国民食

今回作ってみたのは中央アジアに位置するキルギスの国民食であるベシュバルマク。
キルギスにおける遊牧民の食卓では、お祝いやもてなしの席では欠かせない伝統料理です。
Series: となりの国民食
世界の国々で親しまれてきた代表的な食べ物をひとつずつ紹介するシリーズです。調べるだけではなく時どき自分達で作ってみたりも。
遊牧民のおもてなし
ベシュバルマクはじっくり煮込んだ羊肉や馬肉を玉ねぎと共に麺の上へ盛り付けた料理。ちなみにこの料理はキルギスだけでなくお隣のカザフスタンでもよく食べられています。
定住をしない遊牧民の暮らしにおいて、食事の中心は家畜由来の肉や乳製品になります。そういった暮らしの中では手に入りにくい農作物である小麦由来の麺が伝統料理とされているのが少し不思議でしたが、その背景には農耕が古くから盛んだった他の中央アジアの国々と隣接していることが影響していそうです。

ひたすら鍋を使います
おうちでベシュバルマクを作る際の一番のハードルは肉の調達でした。普通のスーパーでは塊の羊肉、ましてや馬肉なんて見たこともありません。
なので羊のブロック肉は手早く通販で購入。こんな大きさの肉を買うのは初めてなのでちょっとテンションが上がりました。

作り方をざっくり説明すると、肉を煮込んで、麺を茹でて、肉のスープでまた麺と玉ねぎを茹でたら盛り付ける...という、ほとんどの工程で鍋を使う料理です。
自宅の狭いキッチンで調理しながら「本来は広い草原に作ったかまどに鍋を3つ、4つ並べて作る料理なんだろうなぁ」とこの料理が産まれた暮らしに思いを馳せました。

調理が済んだら平たい皿に盛り付けて完成です。
アツアツのうちに食べたいところですが、実はこのベシュバルマクは手で食べるのが伝統的な食べ方。そもそも「ベシュバルマク」という名前自体がキルギスの言葉で「五本の指」という意味だったりします。ちなみに「ベシュ」が「5」、「バルマク」が「指」です。
暖かい屋内ではなかなか冷めませんが、手で掴める温度になるまでじっと待ちました。

ちょうど良い温度になったのを見計らって手掴みで頬張ると、予想外にしっかりとした味に驚きました。
肉の出汁を麺ががっつり吸い上げており、調味料は塩と胡椒しか入れてないのに「肉料理を食べている!」という満足感が大きかったです。ほろほろの肉ともちもちの麺のアクセントに、玉ねぎのシャキシャキとした食感も嬉しい。
麺を手掴みで食べるのが思いのほか難しく時間がかかりましたが、料理自体は美味しくぺろりと平らげてしまいました。

実はそっくりさんな私たち
日本とキルギスの人々は見た目がとても似ています。見た目以外にも複数の共通点が見られ、実は同じ祖先を持つ兄弟分なのではという一説もあるほど。
日本人がキルギスへ旅行すると現地の人に間違えられる...なんて場面もしばしばあるそうで、本場のベシュバルマクを食べに行く際は覚えておくと慌てずに済むかもしれませんね。
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